マイクロ波応用計測MICRO
電子スピンをプローグにミクロ分子環境をさぐる
マイクロ波応用計測のために電子スピン共鳴(ESR)法の新しい測定法やデバイスの開発をめざす。
素材(機能性素材やバイオ素材)の研究に電子スピン共鳴法がいかに有効で有用性があるかを、企業、大学、国公立の研究間の交流を盛んにし、互いの利点を活用できるようなネットワークを構築したいと考えています。
マイクロ波計測・電子スピン共鳴(ESR)法
ESRとは、電子スピンを検出する磁気共鳴法である。
電子は物質の構造・性質・反応の鍵となるので物質科学は電子科学であるともいえる。
電子は電荷とスピンを有する粒子であり、前者が電気的性質を、後者が磁気的性質を生み出している。
スピンとは電子の自転運動に相当する。
原子を太陽系になぞらえると、核にあたるのが太陽であり、電子に当たるのが地球である。
ESR分析・受託研究ESR
電子スピン共鳴とは
Electron Spin Resonance(ESR)またはElectron Paramagnetic Resonance(EPR) のことを指します。(ここでは以降ESRと表示します)
磁場の中にセットした測定試料中の不対電子は、特定のマイクロ波を吸収して高いエネルギー準位へと遷移します。この現象を用いているのがESRです。
原子での電子の状態(運動)
電子スピンの磁気モーメント(磁石)
検出法:振動数を固定して磁場を掃引
共鳴条件式
ESRスペクトルを特徴づけるパラメーターとそれから分かること
- *吸収強度・面積:
- スピン種・活性種の存在量
- *吸収位置・g値:
- どのような化学種か
- *スペクトルパターン:
- 電子はどの核と相互作用しているか
- 電子はどの原子骨格を動いているか
- 分子はどのような動きをしているか
- 分子間での電子の動きはどうか
- ・・・・etc.
ESRスペクトルの例
当社の得意とするESR評価の対象例
ESRによる素材の評価をいたします。
-ESR評価の対象素材-
・電気・磁性材料 【磁性材料】 強磁性体、反強磁性体、常磁性体 磁気メモリー、磁性薄膜 【電気材料】 導体、超伝導体、金属薄膜 半導体、アモルファスシリコン、グラファイト 活性炭、ポリシリコン、絶縁体 メゾフェーズおよび多環芳香族化合物 |
・無機材料 ガラス、グラスファイバー (格子欠陥、劣化プロセス) 触媒、ゼオライト 表面セラミックス 酸化物高温超電導体 原子炉燃料 |
・格子欠陥 【カラーセンター】 イオン結晶 【格子欠陥、不純物】 格子欠陥、捕捉原子分子イオン、混入不純物 |
・高分子材料 高分子一般 光、X線、γ線照射劣化プロセス 伝導性高分子 磁性高分子 サーモクロミック分子 イオン高分子、アイオノマー ガスバリヤーフィルム |
以上のようにESRスペクトルは、物質の構造・性質・反応に関する情報を含んでいます。したがって、機能性素材関連の研究で有益な知見が多く得られ ます。 弊社は電気・磁性材料関係、無機材料および高分子関係のESRを用いた測定評価において多くの実績を有しています。ご遠慮なく電話やメールでお問い合わせ願います。 |